医療費控除をわかりやすく説明します。

1. 医療費控除とは?

医療費控除は、ご自身やご家族のために支払った医療費の一部を税金から控除してもらえる制度です。支払った医療費が多かった場合、その分、税金が安くなります。

2. 歯科医院の治療は医療費控除の対象になるの?

歯科医院で受けた治療のうち、治療目的のものは医療費控除の対象になります。つまり、歯の治療をしてお金がかかった場合、そのお金の一部を税金から戻してもらえるかもしれません。

3. 対象になる治療

以下のような治療が対象です:

  • むし歯や歯周病の治療

  • インプラント治療

  • 医療目的の矯正治療(例えば、かみ合わせを治すための矯正)

  • セラミックなどのつめ物や被せ物

  • 入れ歯

  • 親知らずの抜歯

さらに、治療のために処方された薬代や、公共交通機関で通院した交通費も控除対象になります(ただし、自家用車のガソリン代は対象外です)。

4. 対象外となる治療

以下の治療は、美容目的予防のためなので、医療費控除の対象外です:

  • 見た目を美しくするための矯正(審美目的の矯正)

  • ホワイトニング

  • 予防のためのクリーニング

 

5. どうすれば控除を受けられるの?

1年間にかかった医療費が10万円を超える場合、その分の一部が税金から戻ってきます。

  • 確定申告をする必要があります。

  • 支払いを証明する領収書が必要ですので、治療費を払ったら領収書を必ず保存しておきましょう。

 

領収書を紛失してしまった場合

領収書の再発行は基本的にできかねます。どうしてもとなった際は状況に応じて再発行いたします。

ただし、当日に再発行することができませんので、受付にてご依頼いただき、後日改めてご来院いただく必要がございます。

また、再発行された領収書には「再発行」の印字が入ります。

再発行した領収書で不正行為をしないという旨の誓約書にサインをいただきます。

再発行手数料として1,100円(税込)が必要になります。

 

6. 計算方法

医療費控除を受けるための計算方法は次の通りです。

  1. 実際に支払った医療費の合計から、保険で補填されるお金(例えば、保険からの給付金など)を引きます。

  2. その差額から、10万円か、ご自身の所得の5%のうち、どちらか大きい金額を引きます。

  3. 最後に、2に税率(所得に応じた割合)を掛け算します。

 

課税所得金額 税率
所得税+住民税
医療費(円)
30万円 50万円 110万円
医療費の軽減額(円)
~195万円以下 15% 3万円 6万円 15万円
195万円超~
330万円以下
20% 4万円 8万円 20万円
330万円超~
695万円以下
30% 6万円 12万円 30万円
695万円超~
900万円以下
33% 6.6万円 13.2万円 33万円
900万円超~
1800万円以下
43% 8.6万円 17.2万円 43万円
1800万円超~ 50% 10万円 20万円 50万円

 

7. 具体例で説明

例1:セラミックの被せ物

  • 支払った医療費30万円

  • ご自身の所得金額:500万円(税率30%)

計算は以下のとおり:

  1. 30万円10万円(控除額の基準) = 20万円

  2. その20万円に30%(税率)を掛ける → 20万円 × 30% = 6万円が控除されます。

  3. 実質支払う金額は、30万円 – 6万円 = 24万円です。

例2:インプラント治療

  • 支払った医療費50万円

  • ご自身の所得金額:500万円(税率30%)

計算は以下のとおり:

  1. 50万円10万円 = 40万円

  2. その40万円に30%(税率)を掛ける → 40万円 × 30% = 12万円が控除されます。

  3. 実質支払う金額は、50万円 – 12万円 = 38万円です

 

 

まとめ

医療費控除は、支払った医療費の一部を税金から控除してもらえる制度です。歯科医院の治療では、むし歯やインプラント、つめ物の治療などが対象となりますが、美容目的や予防の治療は対象外です。控除を受けるには、1年間の医療費が10万円を超え、確定申告で領収書を提出する必要があります。医療費控除額は、所得に応じた税率を掛けて計算されます。

詳しくは国税庁のホームページをご覧になるか、最寄りの税務署にお問合せください。